女性ホルモン剤が肺がんのリスクを高めることが、
厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター
予防研究部長)の大規模疫学調査で分った。
研究チームは今回の調査結果を肺がんが発症する仕組みの解明に
つなげたい考え。
成果は札幌市で開催中の日本癌(がん)学会で15日、発表する。
研究班は喫煙経験がない40〜69歳の女性4万5千人を8〜12年
追跡調査した。
このうち肺がんになった153人を詳しく調べたところ、子宮筋腫
などの手術を受けて人工的に閉経し、エストロゲンなどの
ホルモン剤を多く使用した人は、使用していない人に比べて
肺がんにかかるリスクが2倍以上高いことが分った。
ただ、更年期障害などの治療でホルモン剤を使っていても、人工的に
閉経していなければ、発症リスクは女性ホルモン剤を使っていない人と
ほとんど変わらなかった。
研究班は人工的に閉経した人に比べて、使用量が少ないためとみている。
初潮から閉経までの期間が長い人ほど発症リスクが高いことも分った。