セントマザー産婦人科医院(北九州市)の田中温院長は13日、
染色体異常による男性不妊症患者の精巣から採取した未成熟の
精子を使って体外受精を実施し、5人の子供が生まれたことを
明らかにした。
田中院長は新たな不妊治療の手段になるとしている。
田中院長によると、患者は先天的に染色体に以上がある
クラインフェルター症候群で、多くの場合は不妊症になる。
精巣内に精子が少しでも残っていれば体外受精を実施できるが、
精子を採取できるのは患者の約半数という。
同症候群の患者35人の精巣を調べ、成熟した精子の前段階に
あたる「後期精子細胞」が見つかった20代〜30代の患者
4人で体外受精を実施した。
2002年から今年7月までに全4組が妊娠し、双子1組を
含む男児3人、女児2人が生まれた。
いずれも性染色体に異常はなく、順調に成長しているという。