45歳の日本人女性
が自分自身の卵子と夫の
精子を使った体外受精で
妊娠し、11月下旬に赤
ちゃんを出産していたこ
とが13日、分かった。
生殖医療の進歩で、若
い女性など第三者から提供を受けた卵子を使った
体外受精で、50代以上
での出産例も報告されて
いるが、今回の不妊治療
を実施した医師は「自分
の卵子による体外受精で
の出産では、国内最高齢
ではないか」としている。
体外受精を実施したのはセントマザー産婦人科医院(北九州市)。
田中
温院長によると女性は結婚後、十数年たっても子
どもができなかった。
検査で子宮筋腫が見つかり昨年、摘出手術を受けた後、ことし3月に同医院 で卵巣から採取した卵子 に微細な管で精子を送り 込む「顕微授精」による 治療を受けた。
同月末に妊娠が確認され11月下旬、西日本の病院で帝王切開で約3100グラムの女児を産んだ。
女性は出産時45歳5カ月で、初産だった。母子ともに健康という。
田中温院長は「通常、40歳を超えると妊娠しに
くく流産率も高いが、最近の女性の身体は実年齢
より若く、高齢でも卵巣
から受精可能な卵子がと
れる可能性がある」と話
す。
日本産科婦人科学会
で体外受精の調査を担当
した久保春海・東邦大学
教授(産婦人科)は「45歳以上の女性が自分の
卵子を使った体外受精で
出産したという報告は、
外国の例も含め見たことがない」と話している。