電機各社の労組で作る電機連合は、多目的休暇や休職の目的に「不妊治療」を加えるよう、来年の春季労使交渉で経営側に要求する方針を決めた。
単組に提示する執行部案に盛り込んだ。不妊治療を受ける女性の増加で「休暇が足りない」など労組に対する相談件数が増えているうえ、一部単組から統一要求に盛り込むべきとの提案があった。
60万人以上が加盟する電機連合では社会全体への波及効果も期待している。
電機連合は「子を望む組合員に対する支援」として、多目的休暇と休職の理由に不妊治療を追加することを経営側に求める。
多目的休暇制度がない場合は、不妊治療を含んだ新しい休暇制度作りを主張する。
女性だけでなく、配偶者など男性も取得の対象。具体的な取得日数の目標は設けない。
来月下旬の中央委員会で正式に採択する。
電気大手では有給休暇のほかに、ボランティアや看護・介護のために取得できる多目的休暇制度を備えている企業が多い。
例えば東芝では「ワイドプラン休暇」という名称で、消化しきれなかった年次有給休暇を20日を上限に積み立て、ボランティアや自己啓発に利用する制度がある。多目的休暇の取得目的に不妊治療を含む企業は「おそらくない」(電機連合)という。
休暇・休職を求める場合には、上司に理由を説明しなければならない。
このため電機連合はプライバシーを保護するための具体策も考えてゆく。
不妊治療を受けている人は2003年の推計では466,900人ともいわれ、1999年の1・6倍に増えた。